2013.08.28 Wednesday
トリミング実習を見学してきました〜♪ ─日本動物専門学校
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入れ墨を理由に、医療系の専門学校への通学を拒んだのは人格権の侵害だとして、元専門学校生の男性(33)が、学校法人「モード学園」(大阪市北区)に慰謝料など約230万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。学園側は25日の第1回口頭弁論で、「入れ墨は学校の風紀を乱す」と争う構えを示し、請求の棄却を求めた。
訴えによると男性は2010年春、柔道整復師の受験資格を得るため、同学園が経営する大阪市の専門学校「大阪医専」に入学。すぐに担任から「入れ墨があると資格取得が難しくなってきている」と聞き、高校3年時にファッション感覚で、背中の右肩近くにライオンの顔の入れ墨(縦横約20センチ)をしたと申告した。
数日後、学校側から「入れ墨があれば入学を断っている」として、休学して同年8月までに消すか、退学かを迫られた。男性は休学し、除去手術を2度受けたが、期限までに消えず、今年3月に除籍になった。
専門学校の人気が再燃している。減少を続けてきた学生数が今春、6年ぶりに増加し、高校新卒者の専門学校への進学率も上がった。4年制大学の卒業後に専門学校に入り直す学生も増えている。長引く不況のなか、「就職に有利」という特色が見直されているようだ。
介護福祉士や作業療法士などの国家資格が取れる学科を持つ東京福祉専門学校(東京都江戸川区)では、今春の入学者(通信学科を除く)が前年より3割増えた。
介護福祉士科(3年制)の石澤恵子さん(19)=東京都江東区=は都立高からストレートで進学した。同級生の7割が4年制大学に進んだ。友人には「なぜ専門学校なの」と言われ、担任の先生たちからも「大学のほうが良いよ」と勧められたという。だが、同居していた祖父を亡くしたことから、介護の仕事をしたい思いが強かった。
「周りの子は、将来どんな仕事をしたいかの方向性は持っていても、職種までは決めていなかった。私は介護職に決めていたので、専門学校が一番近道。4年制大学に比べると1年短いので、学費も安い」と話す。
一方、同じ科の加藤亮平さん(23)=千葉県習志野市=は今春、都内の私立大を卒業して同校に入った。大学は就職に有利とされる理系の学部で、「将来は保証されたようなもの」と思っていた。
ところが、就職活動を始めた一昨年秋、リーマン・ショックが起き、50社超の説明会に足を運んだが、内定を取れたのはIT系の中小企業1社だけ。「妥協するか悩んだけど、やっぱり気乗りしない会社に勤めるのはいやだった」。就きたい職業を見つめ直し、介護の道を選んだという。
同校の今春の入学者のうち、加藤さんのような大学新卒者を含む「高校既卒者」の割合は6割を超え、開校22年目で最高だった。
大原学園グループ(本部・東京都千代田区)でも今春、首都圏の19校の入学者(社会人講座を除く)が前年比で約36%増えた。高校既卒者の入学も同38%増。広報担当者は「大学を卒業したばかりの学生の入学が特に多かった」と話す。
文部科学省の学校基本調査によると、今年5月現在の専門学校の学生数は約56万4700人で前年より2.2%増えた。増加は6年ぶりだ。人気なのは教員養成、介護福祉、公務員志望の多い法律行政などの学科で、いずれも前年より2割以上増えている。
全日制・定時制高校の新卒者の進路を見ると、専門学校への進学は前年比1.2ポイント増の15.9%で、やはり6年ぶりに上昇に転じた。就職(15.8%=同2.4ポイント減)や短大進学(6.0%=同0.2ポイント減)より多く、専門学校は高校新卒者にとって4年制大学への進学(47.8%)に次ぐ「第2の進路」になっている。
厚生労働省などによると、今春の専門学校卒業者のうち就職を希望した人の就職率は87.4%で、4年制大学(91.8%)にひけをとらない。
教育情報会社「大学通信」の安田賢治ゼネラルマネジャー(54)は「大学選びでも、就職に強い看護系学部や公務員狙いの法学部などに人気が集中している。内定切りなどの報道もあり、『手に職を付けなければ』という危機感が強まっている。不況で家計に余裕がなくなっていることも、一般的に大学より学費が安い専門学校に学生が流れる一因だろう」と話している。(花野雄太)