2010.08.28 Saturday
学位授与機構の学士取得に失敗した方へ
数日前から、今年4月申請者の学士の合否が学位授与機構から送られてきているようです。
合格された方、おめでとうございま〜す。
これであなたは大卒です。胸を張って、大卒だ、学士だと名乗っちゃってください。
ぜひ学位授与機構の存在を知らない人に、どんどん広めてください。
一方で、残念ながら不合格という方もいらっしゃると思います。
不合格だった方には、心を込めて「これに懲りず、しつこく頑張ってください」とメッセージを贈らせていただきます。
今回は、その不合格だった人に向けて、私からアドバイスを差し上げたいと思います。
実は私、レポートや論文の類は、幾度となく挫折を繰り返しています。
今でこそプロ作家だのなんだのと、偉そうなことを申しておりますが、私は最初に卒業した神奈川大学では、必須でなかったことから、卒業論文を書いていません。ただし、所属するゼミナールで「ゼミ論集」を作成したため、一応書きましたが、今読み返すと悲しくなるくらい、他の論文のパクリでした。いや、もちろん、それでも引用元を明記しているので、正確にいえばパクリではありません。
大学卒業後、入学を希望した同大学院では、入試の小論文試験が稚拙で、面接では「学士としてのレベルに達していない答案だ」などと言われ、2回も不合格判定を受け、3回目にほぼお情けで合格させてもらいました。
そして大学院入学後、修了に必要な単位は修得したものの、修士論文に至っては、どうしようもなく低レベルだったため、1年の留年を余儀なくされました。
それでも、私はしつこく、しつこく頑張って、試行錯誤の末に修士課程を修了したのです。
その後、学位授与機構では学士(理学:総合理学)や学士(学芸:科学技術研究)で不合格になるなど、落とされた学術的レポートもあり、私には才能が無いんじゃないかと思っていました。
しかし、いくつもの困難に立ち向かい、いくつかの不合格判定といくつかの合格判定を繰り返し受けてくると、何となくわかってくるものがあるのです。
「ああ、こういうネタなら学術的にOKなんだ!」
「ああ、こう書けば、怪しいネタでも学術論文になるんだ!」
言うまでもなく、人には生まれながらにして頭が良くて、試験には何でも一度で合格してしまう人がいます。
人生の初めの方でうまく行った人は、進学も就職も美味しいところを取れる訳ですから、当初から何度もつまずくよりも、何でもすぐにパスした方がイイに決まっています。
だけど、何度も何度もつまずく人、つまり「苦労人」にはそれ相応の良さってありますよね。
私は本格的な学術論文を初めて作成したのは修士論文だったのですが、ノウハウ本の類を読んだりせず、先輩の論文を読むこともせず、まず自分でいきなり書くところから始めました。書いては教授に見せて直され、あれこれ言われて調べて、それでも納得が行かずに苦しみ、修士論文の審査を通るだけなら何とか通るだけのノウハウを持っていながら、あえて自分のこだわりを遠そうとして失敗しました。他人の論文を参考にすれば、そつなく書いて合格することができるのに、あえてそういうことをせず、自分のやり方を貫いたために失敗したのです。
おかげで、学術論文を作成しようとして、書けなくなってしまう人の気持ちがよ〜くわかりました。
この失敗や経験が、昨今の私の作品に現れていると思います。
今となっては無駄な時間と学費をかけてしまったことに後悔もあります。ただ、他人からサポートされて、うまく行く人もいる一方で、自分であれこれ試して、時間をかけながら築いていったノウハウって、揺るがないですよね(^^;)。
私の修士論文のネタは、「電子記憶媒体における民事訴訟法上の証拠調べ方法」で、今となってはものすごく古いというか、修士どころか学部の学生でも理解できるし、実務の世界では論ずるのもバカバカしいくらいのネタです。しかし当時はいくつかの有力な学説があって、私はその学説に反対の立場だったため、指導教授とはだいぶモメたのでした。
教授は私を規定の年限で修了させたいと考えていたため、「とにかく合格論文に必要なエッセンスをその学説から引用せよ」と私に指示します。しかし、私はどうしてもその学説が納得いかず、納得いかないまま書いた論文はへんなものになってしまい、結果として不合格。教授のいう通りにすべきだったと反省していますが、当時はよくわからずに反論ばかりして、自分でもどうすりゃいいのかわからず、退学も考えたほどでした。
ただ、教授は私のこだわりたい気持ちをよく理解してくださっていたし、私もその気持ちにこたえたいと思って、もう1年頑張ってみることにしました。その後、私の意見を裏付ける学説を見つけ、それなりに納得のいく形で作成し、提出。無事に修了できました。
納得のいかないことにぶつかってしまうと、思考が止まり、筆も止まってしまうというのは私の短所ですが、その短所も見様によっては良きこだわりです。
いわば、こんなこだわりがあったからこそ、インターネット上の画像の著作物性について、判例を作るまで頑張れたと思っています。
修士論文で簡単に通っていたら、知財高裁が判例を出すほどモメる裁判なんて思いつきもしないし、本当に闘わないし、本も書かない。まるで違う人生かもしれませんよね。
……ちょっと脱線してしまいました。何を言いたいかまとめます(^^;)。
今回、学位授与機構で学修成果のレベルが低いとして落とされてしまった人は、いろんなレベルがあると思うのですが、きっとまだまとめきれていないとか、稚拙になってしまっているとか、あまりにも大きく広げすぎてしまったとか、いろんな原因があると思います。学位授与機構は「不合格」としか言ってこないので、どこがダメなのかがわからないと思います。
レポートの、どこをどう直せば合格するのかと、途方に暮れている人も多いかと思います。
そこで、私はみなさんに2つアドバイスします。
(1)次回の申請まで、まだたっぷり1ヶ月あります。この1ヶ月でやれる限りのことをやりましょう。自分のレポートを読んで、どこが悪かったのか、じっくり検討しましょう。
(2)もし、レポートのどこが悪くて不合格になったのかがわからない人、またはわかったけれど、大きく広げすぎたためにどう直せばいいのかわからない人は、いっそのこと、まるきり別のネタでレポートを作成してしまいましょう。
理由は簡単です。自分のレポートが悪いかどうかなんて、自分ではすぐにはわからないからです。
半年とか1年とか経って、初めて失敗の原因が見つかるなんてことが多いのです。
そんな中では、「直す」よりも、手っとり早く新規で作成してしまう方が良いのです。
また、集中してやれば、10〜17ページのレポートは2週間で書けます。
学術論文のような形式ですから、慣れない人はもっと時間がかかると思いますが、一度提出した経験のあるあなたなら、きっとできます。
一度失敗した人は、ショックのあまり、2〜3年放置する人もいます。
気持ちはよくわかります。なぜなら私も落ちた専攻区分で再挑戦はしていませんから(-_-;)。
だけど、ここは我慢して、「とにかくあと2回は受ける」と心に決めて、10月の申請に間に合わせてみて欲しいのです。
「今回はやめとく」と思うと、半年間、何も手を付けない状況のまま時間が過ぎ、来年の4月も申請できないなんてことになってしまいます。
「学位が取れない」という結果は同じでも、今から1ヶ月間悩んで作成して提出した人と、提出をあきらめた人には、大きな知識・経験の差があります。不合格でも、失敗でも、1歩でも前進して、前のめりに倒れるべきなのです。そして倒れたところから、再挑戦すればいいのです。
だから、ここはダメモトでも挑戦した方がいいと思います。
みなさんの再挑戦と成功を、心からお祈りしております。m(_ _)m
合格された方、おめでとうございま〜す。
これであなたは大卒です。胸を張って、大卒だ、学士だと名乗っちゃってください。
ぜひ学位授与機構の存在を知らない人に、どんどん広めてください。
一方で、残念ながら不合格という方もいらっしゃると思います。
不合格だった方には、心を込めて「これに懲りず、しつこく頑張ってください」とメッセージを贈らせていただきます。
今回は、その不合格だった人に向けて、私からアドバイスを差し上げたいと思います。
実は私、レポートや論文の類は、幾度となく挫折を繰り返しています。
今でこそプロ作家だのなんだのと、偉そうなことを申しておりますが、私は最初に卒業した神奈川大学では、必須でなかったことから、卒業論文を書いていません。ただし、所属するゼミナールで「ゼミ論集」を作成したため、一応書きましたが、今読み返すと悲しくなるくらい、他の論文のパクリでした。いや、もちろん、それでも引用元を明記しているので、正確にいえばパクリではありません。
大学卒業後、入学を希望した同大学院では、入試の小論文試験が稚拙で、面接では「学士としてのレベルに達していない答案だ」などと言われ、2回も不合格判定を受け、3回目にほぼお情けで合格させてもらいました。
そして大学院入学後、修了に必要な単位は修得したものの、修士論文に至っては、どうしようもなく低レベルだったため、1年の留年を余儀なくされました。
それでも、私はしつこく、しつこく頑張って、試行錯誤の末に修士課程を修了したのです。
その後、学位授与機構では学士(理学:総合理学)や学士(学芸:科学技術研究)で不合格になるなど、落とされた学術的レポートもあり、私には才能が無いんじゃないかと思っていました。
しかし、いくつもの困難に立ち向かい、いくつかの不合格判定といくつかの合格判定を繰り返し受けてくると、何となくわかってくるものがあるのです。
「ああ、こういうネタなら学術的にOKなんだ!」
「ああ、こう書けば、怪しいネタでも学術論文になるんだ!」
言うまでもなく、人には生まれながらにして頭が良くて、試験には何でも一度で合格してしまう人がいます。
人生の初めの方でうまく行った人は、進学も就職も美味しいところを取れる訳ですから、当初から何度もつまずくよりも、何でもすぐにパスした方がイイに決まっています。
だけど、何度も何度もつまずく人、つまり「苦労人」にはそれ相応の良さってありますよね。
私は本格的な学術論文を初めて作成したのは修士論文だったのですが、ノウハウ本の類を読んだりせず、先輩の論文を読むこともせず、まず自分でいきなり書くところから始めました。書いては教授に見せて直され、あれこれ言われて調べて、それでも納得が行かずに苦しみ、修士論文の審査を通るだけなら何とか通るだけのノウハウを持っていながら、あえて自分のこだわりを遠そうとして失敗しました。他人の論文を参考にすれば、そつなく書いて合格することができるのに、あえてそういうことをせず、自分のやり方を貫いたために失敗したのです。
おかげで、学術論文を作成しようとして、書けなくなってしまう人の気持ちがよ〜くわかりました。
この失敗や経験が、昨今の私の作品に現れていると思います。
今となっては無駄な時間と学費をかけてしまったことに後悔もあります。ただ、他人からサポートされて、うまく行く人もいる一方で、自分であれこれ試して、時間をかけながら築いていったノウハウって、揺るがないですよね(^^;)。
私の修士論文のネタは、「電子記憶媒体における民事訴訟法上の証拠調べ方法」で、今となってはものすごく古いというか、修士どころか学部の学生でも理解できるし、実務の世界では論ずるのもバカバカしいくらいのネタです。しかし当時はいくつかの有力な学説があって、私はその学説に反対の立場だったため、指導教授とはだいぶモメたのでした。
教授は私を規定の年限で修了させたいと考えていたため、「とにかく合格論文に必要なエッセンスをその学説から引用せよ」と私に指示します。しかし、私はどうしてもその学説が納得いかず、納得いかないまま書いた論文はへんなものになってしまい、結果として不合格。教授のいう通りにすべきだったと反省していますが、当時はよくわからずに反論ばかりして、自分でもどうすりゃいいのかわからず、退学も考えたほどでした。
ただ、教授は私のこだわりたい気持ちをよく理解してくださっていたし、私もその気持ちにこたえたいと思って、もう1年頑張ってみることにしました。その後、私の意見を裏付ける学説を見つけ、それなりに納得のいく形で作成し、提出。無事に修了できました。
納得のいかないことにぶつかってしまうと、思考が止まり、筆も止まってしまうというのは私の短所ですが、その短所も見様によっては良きこだわりです。
いわば、こんなこだわりがあったからこそ、インターネット上の画像の著作物性について、判例を作るまで頑張れたと思っています。
修士論文で簡単に通っていたら、知財高裁が判例を出すほどモメる裁判なんて思いつきもしないし、本当に闘わないし、本も書かない。まるで違う人生かもしれませんよね。
……ちょっと脱線してしまいました。何を言いたいかまとめます(^^;)。
今回、学位授与機構で学修成果のレベルが低いとして落とされてしまった人は、いろんなレベルがあると思うのですが、きっとまだまとめきれていないとか、稚拙になってしまっているとか、あまりにも大きく広げすぎてしまったとか、いろんな原因があると思います。学位授与機構は「不合格」としか言ってこないので、どこがダメなのかがわからないと思います。
レポートの、どこをどう直せば合格するのかと、途方に暮れている人も多いかと思います。
そこで、私はみなさんに2つアドバイスします。
(1)次回の申請まで、まだたっぷり1ヶ月あります。この1ヶ月でやれる限りのことをやりましょう。自分のレポートを読んで、どこが悪かったのか、じっくり検討しましょう。
(2)もし、レポートのどこが悪くて不合格になったのかがわからない人、またはわかったけれど、大きく広げすぎたためにどう直せばいいのかわからない人は、いっそのこと、まるきり別のネタでレポートを作成してしまいましょう。
理由は簡単です。自分のレポートが悪いかどうかなんて、自分ではすぐにはわからないからです。
半年とか1年とか経って、初めて失敗の原因が見つかるなんてことが多いのです。
そんな中では、「直す」よりも、手っとり早く新規で作成してしまう方が良いのです。
また、集中してやれば、10〜17ページのレポートは2週間で書けます。
学術論文のような形式ですから、慣れない人はもっと時間がかかると思いますが、一度提出した経験のあるあなたなら、きっとできます。
一度失敗した人は、ショックのあまり、2〜3年放置する人もいます。
気持ちはよくわかります。なぜなら私も落ちた専攻区分で再挑戦はしていませんから(-_-;)。
だけど、ここは我慢して、「とにかくあと2回は受ける」と心に決めて、10月の申請に間に合わせてみて欲しいのです。
「今回はやめとく」と思うと、半年間、何も手を付けない状況のまま時間が過ぎ、来年の4月も申請できないなんてことになってしまいます。
「学位が取れない」という結果は同じでも、今から1ヶ月間悩んで作成して提出した人と、提出をあきらめた人には、大きな知識・経験の差があります。不合格でも、失敗でも、1歩でも前進して、前のめりに倒れるべきなのです。そして倒れたところから、再挑戦すればいいのです。
だから、ここはダメモトでも挑戦した方がいいと思います。
みなさんの再挑戦と成功を、心からお祈りしております。m(_ _)m
JUGEMテーマ:大学評価・学位授与機構
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