2011.02.11 Friday
学ぶチャンスがあるという幸せ
評価:
ウィリアム・カムクワンバ,ブライアン・ミーラー 文藝春秋 ¥ 1,750 (2010-11-19)
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評価:
藻谷 浩介 角川書店(角川グループパブリッシング) ¥ 760 (2010-06-10)
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池上彰の世界を見に行く!
モヤモヤさまぁ〜ずは、ストレスが発散できる、数少ないバラエティ番組なので残念に思いつつ、池上さんのこの番組をBGM代わりに流していたら、これがけっこう面白くて、ハマってしまいました!
吉祥寺や島根県石見の町づくりの秘密が紹介されていて、シャッター通り商店街の解決法を勉強できたり、アフリカのマラウィの貧困・教育問題についてスポットを当てたり、独創性にあふれた番組作りがすごいですね。
池上彰がスゴイのか、テレビ東京がスゴイのか、それともこれらのコラボがスゴイのかわかりませんが、正直なところ、池上さんの学べるニュースよりもはるかに面白い。
私が特に興味深かったのは、アフリカのマラウィという国で、貧困のために中学校へ進学できなかった(学費を納められずに退学した)少年が発電の仕組みを独学で学び、いきなり風力発電施設を村に作ってしまったというエピソード。
いまだ呪術が信仰されている地域で、櫓を組み立て、風力発電のための風車なんかを作ったために、石を投げられるわ、干ばつの責任を被せられるわ、ウィリアム・カムクワンバという当時14歳の少年は蔑んだ目で見られたというのです。
その後、彼は風力発電とその実用に成功し、彼の村は、今ではその風力発電で得た電力をバッテリーにためることで、そこそこ安定した電力で井戸水を組み上げるシステムを作れて、それを灌漑に応用することで、村の農業は発展を遂げたといいます。
その後、彼は米国の大学に進むことになるのですが、彼の不屈の学習意欲が評価され、米国のボランティア団体から、多くの本が現地に贈られて、ウィリアムに続く人物を養成する政策が取られているとのことです。
こういう話を聞くと、何か元気が出ます。
大学を選ぶときに、一流かどうかとか、偏差値だ実績だノーベル賞受賞者の数だなんてことを指標にしている我々は恥ずかしくなります。
彼は中学を退学せざるをえなかった時に、学ぶことをあきらめず、また自分の興味の部分を失わずに努力したのです。その彼の努力をサポートしたのが、極めて乏しい中で運営されていた図書館だったのです。
彼の独学による風力発電システムによってできた井戸水は、村に清潔な水をもたらし、そのおかげで乳幼児死亡率は格段に下がった。中学を追われた少年の、他愛もない科学への興味が多数の命を救ったといいます。
まぁ、あくまでもテレビ番組なので、ちょっと美談にまとめた節はありますが、彼の功績は紛れもない事実です。
学ぶというインプットを学歴や経歴というアウトプットで喜ぶ人も多い一方で、人のためになる発明をするというアウトプットができるというのは、カッコイイですね。
残念ながら、私は物理も化学もトホホな男ですので、そんなすごい発明はできませんが、学ぶことの大切さを本に残すという作業は担当できそうです。
学ぶチャンスがあるってのは、幸せですよね。
JUGEMテーマ:教育
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