2013.07.08 Monday
Winny開発者・金子勇さんが死去
金子勇氏が急逝した。偶然にも、彼と私は同い年。
この金子氏は社会にこういう疑問を呈した。
「容易にデジタルコンテンツを交換できてしまうプログラムを作成して配布することは罪か」
彼はネット上で動画やプログラムなどを交換・流布させることのできるソフト「Winny」の開発者であり、著作権法違反(幇助)で逮捕され、後に無罪が確定したことで知られています。
逮捕されたとき、彼は東大の助教で、Winnyの開発者は自分であることを公表し、そのソフトを使うことで他人の著作権を侵害することができるが、こういうソフトを作成すること自体は違法ではないはずだと、議論を呼びかけるため、わざわざ自らのウェブサイトで公表したことで逮捕に至った。
ものすごく端的に例えて言うなら「私はコピー機を開発した者です。このコピー機を使えばいろんなものを即時に複製することができる。ただし、新聞や書籍をコピーしたら著作権侵害になるかもしれないけれど、それはユーザー個々人の使い方次第だと思う。これについて議論をしよう」と呼びかけたサイトである。
彼の作ったWinnyは、確かにいろんな悪用のされ方をしたが、彼のカラーコピー機を使って誰かが通貨の偽造を行ったら、コピー機メーカーまでその責任を負わなきゃいけないのかって話。
疑問を持って事実を公表し、議論をしようと呼びかけたところ、逮捕されてしまった。
私は過去にこういう記事でこの逮捕の問題点を述べたことがある。
ウィニー事件、著作権法違反幇助で有罪(2006年12月13日)
ほれ見たことか! ─Winny開発者著作権事件で無罪(2009年10月8日)
こうしてみると、私は当初から疑問に抱き、「彼は無罪であるはずだ」ときちんと表明している。手前味噌ですが、法律家でもないのにきちんと正しい結論が見えているのです。
一連のニュースを受けて、メディアを専門とする偉い先生方は、ちゃんと意見を表明しているのだろうか。
ある新しい技術や概念を持ち出して議論をする時、時としてその技術や概念を表明することが犯罪であるとか、モラルに反しているのではないかと批判されることがあります。
そしてネット上では、警察が検挙するとか、著名人が批判することで、たんなる傍観者だった人たちも声を揃えて、「あいつは犯罪者だ」、「モラルに反しているぞ」と批判することがあります。
しかし、結局のところ、その技術も概念も犯罪でもなければモラルに反する訳でもない。ただ、社会の人たちの理解が及ばなかっただけなのです。論理的に、順序立てて落ち着いて説明されれば、理解できるような話です。それに拳を振りかざし、鉄拳制裁するというのが権力側であったり、ネット住民であったりします。
こんな単純な理屈の理解できない人のために、逮捕・起訴・拘留の危険を冒しながら、そして逮捕されることを予想しながらも、きちんと自分の主張を貫いた金子勇氏を私は尊敬します。
また、逮捕され、一度は有罪となった彼を支えた、彼の周囲の人たちに対しても、敬意を表します。
彼とは一度だけど、本件について話しをしたことがあります。
でも、同い年ながら、彼はすごいと思った。
「ガリレオになる覚悟がない研究者は研究者なんかやっちゃダメだ」
この言葉は重かった。
そう、ガリレオは、地動説を唱えて教会に裁判にかけられ、法廷で一度は屈するものの、「それでも地球は回っている」と述べたとされる人物。
金子氏を叩いた警察・検察・当時の著名人のみなさんは、本当に自分がアホだったと自覚してほしい。彼を叩いた著名人もオーディエンスも、結局、常識というオバケに洗脳されているアホなんですよね。
本来、大学の教員というものは、この新しい技術や概念を表に出し、時には矢面に立たされながらも既成概念を打破しなきゃいけない立場なのに、研究者連中の空気ばかり読んで、しょうもない既成概念だらけの学問を学生に教えて給料をもらっている人っていますよね。
そんな大学教員に成り下がっている人をリストラしていったら、大学って、けっこうまともになるんじゃないか。
金子勇さんのご冥福をお祈り申し上げます。
Winny作者の金子勇氏が死去、急性心筋梗塞で
この金子氏は社会にこういう疑問を呈した。
「容易にデジタルコンテンツを交換できてしまうプログラムを作成して配布することは罪か」
彼はネット上で動画やプログラムなどを交換・流布させることのできるソフト「Winny」の開発者であり、著作権法違反(幇助)で逮捕され、後に無罪が確定したことで知られています。
逮捕されたとき、彼は東大の助教で、Winnyの開発者は自分であることを公表し、そのソフトを使うことで他人の著作権を侵害することができるが、こういうソフトを作成すること自体は違法ではないはずだと、議論を呼びかけるため、わざわざ自らのウェブサイトで公表したことで逮捕に至った。
ものすごく端的に例えて言うなら「私はコピー機を開発した者です。このコピー機を使えばいろんなものを即時に複製することができる。ただし、新聞や書籍をコピーしたら著作権侵害になるかもしれないけれど、それはユーザー個々人の使い方次第だと思う。これについて議論をしよう」と呼びかけたサイトである。
彼の作ったWinnyは、確かにいろんな悪用のされ方をしたが、彼のカラーコピー機を使って誰かが通貨の偽造を行ったら、コピー機メーカーまでその責任を負わなきゃいけないのかって話。
疑問を持って事実を公表し、議論をしようと呼びかけたところ、逮捕されてしまった。
私は過去にこういう記事でこの逮捕の問題点を述べたことがある。
ウィニー事件、著作権法違反幇助で有罪(2006年12月13日)
ほれ見たことか! ─Winny開発者著作権事件で無罪(2009年10月8日)
こうしてみると、私は当初から疑問に抱き、「彼は無罪であるはずだ」ときちんと表明している。手前味噌ですが、法律家でもないのにきちんと正しい結論が見えているのです。
一連のニュースを受けて、メディアを専門とする偉い先生方は、ちゃんと意見を表明しているのだろうか。
ある新しい技術や概念を持ち出して議論をする時、時としてその技術や概念を表明することが犯罪であるとか、モラルに反しているのではないかと批判されることがあります。
そしてネット上では、警察が検挙するとか、著名人が批判することで、たんなる傍観者だった人たちも声を揃えて、「あいつは犯罪者だ」、「モラルに反しているぞ」と批判することがあります。
しかし、結局のところ、その技術も概念も犯罪でもなければモラルに反する訳でもない。ただ、社会の人たちの理解が及ばなかっただけなのです。論理的に、順序立てて落ち着いて説明されれば、理解できるような話です。それに拳を振りかざし、鉄拳制裁するというのが権力側であったり、ネット住民であったりします。
こんな単純な理屈の理解できない人のために、逮捕・起訴・拘留の危険を冒しながら、そして逮捕されることを予想しながらも、きちんと自分の主張を貫いた金子勇氏を私は尊敬します。
また、逮捕され、一度は有罪となった彼を支えた、彼の周囲の人たちに対しても、敬意を表します。
彼とは一度だけど、本件について話しをしたことがあります。
でも、同い年ながら、彼はすごいと思った。
「ガリレオになる覚悟がない研究者は研究者なんかやっちゃダメだ」
この言葉は重かった。
そう、ガリレオは、地動説を唱えて教会に裁判にかけられ、法廷で一度は屈するものの、「それでも地球は回っている」と述べたとされる人物。
金子氏を叩いた警察・検察・当時の著名人のみなさんは、本当に自分がアホだったと自覚してほしい。彼を叩いた著名人もオーディエンスも、結局、常識というオバケに洗脳されているアホなんですよね。
本来、大学の教員というものは、この新しい技術や概念を表に出し、時には矢面に立たされながらも既成概念を打破しなきゃいけない立場なのに、研究者連中の空気ばかり読んで、しょうもない既成概念だらけの学問を学生に教えて給料をもらっている人っていますよね。
そんな大学教員に成り下がっている人をリストラしていったら、大学って、けっこうまともになるんじゃないか。
金子勇さんのご冥福をお祈り申し上げます。
Winny作者の金子勇氏が死去、急性心筋梗塞で
P2Pファイル共有ソフト「Winny」を開発したことで知られる技術者の金子勇さんが7月6日、急性心筋梗塞で死去した。
Winny裁判で弁護人を務めた壇俊光弁護士がブログで明らかにした。
金子さんは1970年7月生まれ、栃木県出身。茨城大学大学院、日本原子力研究所などを経て、東京大学特任助手だった2002年5月にWinnyを公開。04年5月、著作権法違反ほう助容疑で逮捕・起訴されたが、11年12月に最高裁で無罪が確定した。技術者が開発したソフトやサービスについて負うべき責任の範囲などについて大きな議論になった。
起訴後、P2P技術を応用したコンテンツ配信サービスを手がける「Skeed」の設立に携わり、昨年12月には東京大学情報基盤センター特任講師に就任していた。
金子さんのWebサイトでは、プログラム「NekoFight」の最新版「Ver.2.4」が6月8日に公開されている。
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